Roots MMJ創業時からの歩み

 
生産者乳価はまだ決定されない状況が続いています。
話し合いで決めると云う事が果たして正しい決定方法なのか?どのような話し合いがなされているのか誠に疑問を感じるところです。
 

需給バランスは近年に無く牛乳が逼迫しています。
毎年生産者から出される交渉開始時の要求額と、決定される価格との大きな開きも呆れるほどの価格差があります。
「お決まりのデモンストレーションさ」と、農家の間では陰口も聞かれますが、 「嫌なら牛乳を出荷しなければいい」のですから農家の皆さんはそれなりに納得しているのでしょう。
雪印のあいた穴を大手メーカーがシェア拡大を狙い動いていますが、それもだいぶ安定してきています。
大手ブランドの信用が失墜した今、個性ある中小規模のメーカーが消費者を獲得するチャンスではないでしょうか。
 
話は変わりますが、酪農に携わっている農家の仕事を見ていると本当に大変であると思うのです。
ともかく労働時間が長い。
朝、暗いうちから起き、朝食も食べずに搾乳を始め、 食事は9時、10時となる。日中は糞片付けや畑の牧草作り、暗くなったらまた夜の搾乳となる。
夕食は夜の9時、10時。
「牛が好きだから」という言葉も自分を慰めているように聞こえてしまう。
人間、人生3分の1はベットの中か布団の中、残り3分の1は仕事、 最後の3分の1が 食事、バス、トイレ、セックス、デート、勉強、テレビ、趣味、子供の世話、サラリーマンであれば通勤時間もある、 一般的な現代人はこんな風な時間帯で生活していると思う。
酪農家は人生において最も貴重な最後の3分の1がほとんどない、何しろ酪農ヘルパーが 来てくれる年間数日のほかは365日休みなしである。
一般社会では週休2日でも足りず 週休3日になろうという時代において、異常な職業といえる。
 
昨年、フランスの酪農家を訪れる機会があった。
フランスはヨーロッパの中でも社会主義色が昔から強い国で、労働者は週4日半の労働(週休2.5日)を完全週休3日にするよう働きかけているという。
酪農家も負けずに国の制度として、ヘルパー供給を週3日にするよう働きかけているという。
自分の生活を大事にし、自己主張をしっかりする国だなぁ、 と再確認した。
 
列車に乗ってみた。
ユーロスターは25年前に訪れたとき初めて乗った列車とは比べ物にならないほど速く快適だった。
変化がないようで訪れるたびに少しずつ変化している。
ところが田舎の田園風景は昔のままの牧歌的な風景が続いていた。
緑の草原の中で真っ白いからだのシャロレー種が親子で草を食んでいた。
 

 
酪農家のひとはとかく忙しい、忙しいと言う、「忙しい」とは心を亡くすと書く。
本当の 自分の人生を見つめ、家族を見つめ、酪農という事業に何を求めるのか、考える時間を持っていただきたいのです。
酪農家は高齢化が進み、平均年齢は50歳を超える。後継者がいないというが、当たり前ではないかと思うのです。
 
酪農家の収入は乳業メーカーが支払う乳価にほとんどを占められる。
このデフレ時代に メーカーに乳価を上げて欲しいなどと言ってみてもわがままというものだ。
しかし厳しいとは言ってもメーカーサイドの意見も聞いてみるとよい。
特に中小の乳業メーカーは酪農 家が高齢化とともに衰退していくことを望んではいない。
残るべき農家にはしっかりと残って欲しいと思っている。
酪農家の勇気ある自己主張の場としてこのページに参加していただきたい。
そしてメーカーと直接取引きして活路を見出していただきたい。
 
群馬では5軒の酪農家が(株)ラク テックスを立ち上げた。
計画的、かつ組織的なアウトサイダーの誕生である。
日本で初め ての酪農家による原乳販売株式会社である。
先日1周年記念パーティーがあり参加させていただいたが、新しい潮流が確実に生まれてきている。