Roots MMJ創業時からの歩み

 
酪農王国、北海道から初めて大型農家の弊社MMJへの全量出荷が始まった。
全国生乳生産の半分以上を担う北海道はまさに酪農の聖地、王国と言ってもいい。


北海道十勝平野の帯広空港から20分くらいの幕別町にある、有)田口畜産が、この4月1日から出荷している。
酪農関係者であれば北海道酪農の組合組織の強大な力には脅威さえもっていよう。
その中で、年初より出荷準備を進め、2月には契約、バルクタンクの増設工事開始となり4月1日には工事の完了を待たずに出荷が始まった。
生産乳量は15トン/日、40pointのロータリーパラーを有している。粗飼料は付近のコントラ(牧草生産組合)から仕入れている。
立地にも恵まれている。平坦で地理的には帯広市内と空港の中間である。
冬季の積雪は多くない。北海道から本州へ原乳を出荷することを考えると、中心拠点になれる場所である。
 

田口社長と家族一同。北海道で初となる自立した酪農経営体として発展してもらいたい。

 
(有)田口畜産は北海道で何故アウトサイダーへ踏み切ったのだろうか。
自らも現職の町議会議員である社長の田口氏は所属農協の農家への対応に疑問を持った。
平成2年より開始した増産計画(牛舎設備の増頭、拡大)に農協は全く及び腰で融資をしない。
結果、農協からの融資は受けずに、公庫と市中銀行からの融資で設備投資と運転資金を調達した。
計画通り規模拡大し、今に至っている。
平成18年の生乳生産調整の時には、出荷制限により、31日間で生産した牛乳156tを捨てた。
搾ったばかりの新鮮な生乳が目の前で廃棄物になる無念さは、想像するに余りある。
計画生産、全量出荷を謳う農協組織に対し、大きな疑問を抱くこととなったが、平成25年10月頃、さらにその疑問を募らせる事件が起こる。
 
田口畜産の生乳は道内の最大手の乳業メーカー(M)の工場に出荷していたが、 品質上たびたび出荷を自主規制していたことを理由に、乳業メーカー側から「田口畜産の生乳は受乳拒否」と言い渡されたのだ。
この「受乳拒否」を受け、組合では対応に困窮した。
田口畜産の生乳は道内のほかの工場に運び、運賃の差額は田口畜産が負担した。
組合として乳業メーカー(M)の工場長に対し謝罪したが、工場長からはホクレンと、札内農協組合長、田口畜産代表者による謝罪文を提出するよう求められた。
これに対しても、田口氏は大きな疑問を感じている。配乳権はどちらにあるのだろうか?
品質的に問題の無い生乳ならば、工場側が農家個別に拒否することは出来ないのではないか?
最大手とはいえ、いち加工工場に配乳権まで握られてしまったのか?という疑問である。
田口氏は仕方なく組合が作った謝罪文に署名した。
しかし、この件で組合やホクレンに対する不信感はさらに強まったと言う。
そして今年の4月、アウトサイダー出荷へ踏み切った。
 
乳業では原乳が逼迫する中、MMJと年間全量契約を検討していただき、北海道初めての、アウトサイダー1軒目(MMJ)となった。
北海道という大舞台で、更なる発展を期待したい。
北海道巡業報告(1)へ続く。