関東では桜の花びらが舞っている4月1日、北海道別海町では雪が舞い、気温は氷点下。そんななかで(有)中山農場が、自らの生乳の新しい販路としてMMJへの出荷を開始しました。
指定団体における生乳取引で、生乳の単価を決めるのは乳脂肪分や無脂乳固形分といった乳成分値。ゆえに、多くの酪農家は乳成分値の向上や一頭当たりの乳量増加に注力し、食品において最も大事な要素である「味」のことを忘れがちです。
しかし中山農場は、自社の生乳を100%使用したチーズ作りなどの六次化をおこなっているだけあって、乳成分はもちろん「味」にもこだわっている、稀有な牧場です。
この牧場で育つ牛たちが食べている餌のほとんどは、スタッフが丹精込めて作った自給飼料。その餌を食べ、子牛から搾乳牛まですべての牛がすくすくと育っています。自給飼料作りは手間がかかりますが、これも「味」への取り組みのひとつです。
牛の健康は飼養管理でつくられ、特に餌はその基礎となるもの。良い餌は良い土壌から作られる。農業の基本が牧場を健全に育て美味しい牛乳が生産される、と中山勝志さんは言います。
牛の健康管理にも手は抜きません。中山農場で使用している搾乳ロボットでは、一頭一頭の乳量、反芻時間など牛の細かいデータが記録され、牛の変化にすぐに気が付けるようになっています。最新の機械を駆使して、細心の注意を払う。決して、省力化だけではない搾乳ロボット導入の動機が伺えました。
初出荷の様子
(中央左:中山泰輔社長、中央右下:中山勝志会長)
こうして生産された生乳を直接、消費者の方たちに届ける選択肢としてMMJを選んでいただけたことを、とても嬉しく感じます。
これからもMMJは、消費者に寄り添い“品質と味”にこだわる生産者の生乳と、それを求める乳業、消費者を繋げる橋渡し役であり続けます。
文:津布久