• 酪農と乳業をむすぶ生乳売買プラットホーム

インサイダーとアウトサイダー

インサイダーに戻った4軒の内の、ひとりの酪農家の話では、乳価が当初の話とは違っていたこと、7人の仲間意識が崩れたことが、破綻の原因であったと言う。
北軽井沢は開拓地であり、そこで酪農を営む約60軒の農家は、いわば同じ釜の飯を食った同志であり、それと同時に、横並び意識も強い。
規模の拡大や、機械の購入など、周囲の妬みの視線を浴びることも少なくない。
そんな中で、アウトサイダーとして生乳を出荷することは、地域からの孤立を招く。
周囲のインサイダー農家は、7軒の農家がアウトサイダーとして出荷を開始して初めて、その事実を知った。
アウトに出る事について相談を受けなかった事、誘われなかった事に少なからず「疎外された」という意識はあったという。
そして5年後、インサイダーに戻った4軒の農家は、やがて周囲に溶け込んだというが、アウトサイダーとして生乳出荷を開始した平成6年から11年という歳月を経た。
 
アウトサイダーを続けている農家は、出荷先が違うというだけで酪農コミュニティーから外れている面がうかがえた。
酪農専業地帯(地域の農家がほとんど酪農家)に多い現象だ。
比較的、他業種、多様な農業地帯のアウトサイダーには見られない状況があるように思える。
これも指定団体による、牛乳再販制度の隠れた一面である。
他の業種や、農業団体にはない酪農独特の仲間意識と暗い側面がそこにある。
それでも時を経ればこうした問題は自然に消滅するもので、今では共進会なども一緒に行い、交流は盛んになってきた。
世代が変わろうとしている今、出荷先にとらわれていた仲間意識も変わり、新しいコミュニティーが出来ようとしている。