• 酪農と乳業をむすぶ生乳売買プラットホーム

勝訴、その判決の意味

酪農家にとって大変重要な司法の見解が、今回の判決で出された。
多くの酪農家が誤解している無条件委託販売について。
昭和41年に施行された指定団体による生乳再販制度は、生乳の販売価格交渉についてのみ条件をつけないという解釈であって。
その後に発生したCSや組合の経費等はまったくこの法律の範囲ではない。とする司法の見解が出された。
 
「牛乳に関わる事はすべて組合決定に従う義務がある」と思っている農家は多いが、決してそんなことはない。(判決文事実及び理由 第3参照)
団体に許されているのはメーカーとの価格交渉と販売先の選択だけである。
CSの利用やその在籍組合の選択、集送乳の委託をするのかしないのか。
その精算方法、情報開示、すべて農家による選択の自由が認められている。
「そんなこと言ったって出来るわけがない」と思っている方は判決文を持って権利を主張してみればいい。
やる気があればの話だが。
 
今、埼玉の酪農家の間では大変な問題となっている。
2億6千万円はすでに組合の経費として使われてしまっているのである。
弁護側は4人もの弁護士を使っている。
裁判費用、金利、諸経費を合わせれば3億数千万円になるであろう。
実行責任者は今でも確定できていない。
県下の約半数を占める現、全農傘下の酪農家に、賠償金支払いの義務はないと思う。
彼らもまた被害者ではないか。
10年前、代表者会議など、組合事業に決定権のある会議には一度も計られずに書類が配布されている。
今回のことは、組合員の知らないところで何者かが進めたことなのだ。
そして組合員は10年間、騙されていた。
役員の職務権限、職員の職務規定の実施、および遵守の状況を見直す必要はあると思う。
役員、または職員の中に「不正」を働いた者がいたのではないか、越権行為があったのではないか?今後の調査で明らかになるであろう。
 
そしてこれは埼玉だけでなく、日本の酪農業界全体にとって、この判決の意味は大きい。
まるで天下の「御法度」のように「無条件委託販売」をかざす、酪農組織の悪しき慣習を改める機会を与えてくれた。
酪農の天下を正す、水戸黄門の「印ろう」になるかもしれない。
 
現行法律では、組合の決議(組合員の総意として)がなければ販売乳価を法律的に開示する義務はない。
しかし来年(H17)から指定団体販売乳価情報公開の義務が国の法律により施行される。