このたびの北海道地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
停電中は搾乳が出来なかったり、時間が不規則になったりしている事と思います。
対処方法について、下記をご参考としてください。
長時間停電災害時の酪農家の対処法
停電により長時間搾乳ができない場合、牧場全部のまたは搾乳施設の自家発電ができない場合、以下の順で対応する方法があります。
生乳販売、搾乳牛へのダメージ等を最小限に食い止めましょう。
バルククーラー電源が切れると当然乳温が上がってきます。同時に脂肪分の分離が始まります。なるべく早く出荷する手配をします。出荷時は必ずアルコール検査を行います(できれば細菌検査も)。手で撹拌しながら出荷します。撹拌しないとクリームが残ってしまいます。
半日以上搾乳が遅れると深刻な代謝機能障害が心配されます。
牧草中心の餌への切り替え、バケットミルカーなどで時間をかけても乳房のはった牛から順次搾乳する等、対処が必要です。
バケットミルカー、又は予備搾乳施設を動かすだけであれば小型の発電機、溶接用発電機などで対応可能です。
手搾りしかありません。乳房のはった牛から
順次搾乳を続けます。東北の震災では発電機が手当できるまでの間、3日間手搾りをした酪農家が多数ありました。酪農家の牛を護る強い意志に敬服しました。
長時間停電し乳房に滞留した生乳、バルクに滞留した生乳は低酸度二等乳になる事があります。アルコール検査を厳密に行い出荷しましょう。
牧草中心の餌で泌乳量を抑えた場合。乳成分が落ちます。成分を回復できるよう、補助サプリメントの活用も有効です。
上記のことを行うにあたり、供給電圧の低下には充分注意をお願いします。モーターや基盤の破損が起こります。
株式会社MMJ代表取締役社長 茂木修一