• 酪農と乳業をむすぶ生乳売買プラットホーム

 
9月と10月北海道の酪農家を多数訪問できた。
北海道新聞、十勝毎日新聞にMMJ加入の農家、田口畜産のことが大々的に第1面に掲載され(北海道新聞(H26年9月25日))急に北海道が慌ただしくなった。


道央だけでなく、道南や道東の農家から、ぜひ詳しい話を聞きたいという問い合わせが続き、道内各地を、9月の訪問では6軒、10月の訪問では7軒の農家をまわることができた。
皆さん優れた酪農家で、牛群、経営状況ともすばらしい農家であった。
本州の一般的な農家と比べると、やはり本場の酪農家は努力をしている。また、努力しなければ成り立たない環境なのかもしれない…と思えた。

北海道の乳価は複雑な計算のもと、
ホクレン→各地の農協→農協支部→各酪農家
の順で精算されるが、生産者の乳代からは1㎏あたり、以下のような経費が引かれていく。
 

項目 金額(H26年8月)
送乳経費 36銭
送乳体制強化対策費 68銭
需給調整施設対策費 3.15銭
取引検査料 4.9銭
生乳安定生産対策事業費(宣伝費等) 50銭
需要拡大中央拠出金 販売乳量全体(中央酪農会議) 4銭
飲用向け(Jミルク) 5銭
乳製品向け(Jミルク) 2銭
飲用向け(道牛乳普及協会) 3銭
乳製品向け(道牛乳普及協会) 2厘
移送経費(ほくれん丸) 道外移出生乳販売乳量 22円80銭
全道合計 13億5762万円

 
さらに、上記以外に各酪農協の経費として、集乳費、検査料、組合手数料等が引かれる。
経費の中で“~対策費”というのが目立つが、これらが本当に農家のために役立っているのか、はなはだ疑問である。
それぞれの経費や拠出金は大変細かい計算がされているが、その複雑さが酪農家に不透明感を抱かせる要因になっているのではないだろうか。
何か事あると、農家から新たな拠出を募り、国の補助金を引っ張る。
こうして控除項目は増え、それぞれに部、課長が生まれ、事務所は大きくなる。
こうした体質の組織を内側から改善しようとすれば、また、~合理化…対策費、等が増えるのかもしれない。
掛かった費用は全て農家の乳代から引かれるのだから、これでは農協、ホクレン自体が費用削減、リストラなど経営努力をするはずがない。
 
平成18年の生産調整の時でも、組合とホクレンは全く経営に影響を受けていない。
「生産制限」を強行された側の農家は搾ったばかりの牛乳を捨て、導入した初妊牛を二束三文で売り、多額の負債を背負い込んだ。
またある農家では、後継者として入った息子さんがこのことを苦にして出て行ってしまい、生産制限が解除され時を経た今も戻ってこないという。
 
農家をまわって思うのは、ホクレン、農協に支配されている、という閉塞感である。
経営的に成り立たないわけではないが、あまりに一方的な「無条件委託販売」という生乳の制度に憤りを感じている農家が多い。
農家のために作られたはずのホクレン、農協という2階建て組織に、逆に農家が支配されているのである。
ホクレン佐藤会長の報道関係の取材に対するコメントで、田口畜産の離脱(ホクレンからの)は大変残念であるという言葉があった。
私はこれを読んで、何が残念なのだろう?と不思議であった。
酪農家が指定生産者団体の補給金漬けの生乳出荷を離れ自立して販売するのである。
喜ぶべきことではないだろうか。
残念…ではなく「頑張ってほしい」くらい言ってもいいと思う。農家の代表であれば。
農家を育てる「親」的存在であれば子の自立は喜ぶべきことではないか。
まるで下請け子会社に離反されたかのような言動に、今のホクレン、農協と酪農家の関係が現れているように感じた。
 
MMJを中心とする自主販売(アウトサイダー)の農家は、庭先売りであるから、契約した乳価で365日キチンと販売できる。経営が成り立つ価格を自分で交渉できる。
田口さんは毎月MMJの役員会に北海道から来られる。
不透明感はなく、役員会に出席するのが楽しいと言う。
(平成26年10月27日 (株)MMJ代表取締役 茂木修一)